実在の忍者の生活と幻の忍術書が抱き合わせて丸裸に。
「杣中木村本家文書」および忍術書「軍法間林清陽巻中」の調査報告書 。
甲賀流忍者調査団ニンジャファインダーズによる資料調査報告の五冊目となる本書は、「杣中木村本家文書」と「軍法間林清陽中」の二本立てとなっている。
「杣中木村本家文書」は尾張藩甲賀者の頭・木村奥之助の実家から発見された史料群であり、総数は246点。甲賀者・甲賀武士を考えるにあたって参考となる史料の点数は少なく、ほぼ木村家固有の古文書群となっているものの、当時を知るという観点から非常に貴重なものである。
「軍法間林清陽中」は、三大忍術書のひとつ『万川集海』の原典とされている忍術書。本書には解題、底本の写真、翻刻、現代語訳と全てが掲載されており、もはや「完本軍法間林清陽中」と呼んでも差支えない。
情報収集に重きを置きはじめる江戸時代よりも前、実戦を重視し、ときには「古い忍術」とも呼ばれる間林清陽の忍術は、戦国期の忍びを考えるには必要不可欠。必ず一読しておきたい一冊となっている。
タイトル | 杣中木村本家文書-尾張藩甲賀者関係史料- 軍法間林清陽巻中 |
編集 | 滋賀県甲賀市教育委員会 |
発行 | 滋賀県甲賀市 |
発行日 | 2023/2/22 |