忍者ポータルサイト

忍者ポータルサイト

甲賀忍法帖 楽天ブックス 表紙
小説

甲賀忍法帖

伊賀と甲賀の忍者同士の死闘を描く、山田風太郎の忍法帖シリーズを代表する長編小説。

#甲賀#伊賀#山田風太郎
著者
山田風太郎
出版社
講談社
レーベル
講談社文庫
Amazonで購入する楽天で購入する

※リンクにはアフィリエイトリンクが含まれます。

内容・あらすじ

徳川三代将軍の後継をめぐり、甲賀卍谷衆と伊賀鍔隠れ衆に下された非情の命。長きにわたり不戦の約定に縛られてきた両一族は、選ばれし十人対十人の忍法合戦へと駆り立てられる。 甲賀弦之介と伊賀の朧。互いに愛し合う二人の願いもむなしく、両家の宿命は血で血を洗う戦いへと動き出す。 毒、変身、瞳術、異形の肉体。常人を超えた忍法を操る忍者たちが、知略と執念を尽くして激突する。生き残るのは甲賀か、伊賀か。そして、弦之介氏と朧氏の恋の行方は。 忍者小説の金字塔にして、異能バトルの原点とも称される山田風太郎氏の代表作。壮絶な戦いと哀切な恋を描く、風太郎忍法帖第一作である。

忍者視点の見どころ

甲賀と伊賀の対立構造

甲賀と伊賀の忍者たちが対戦するイメージはこの作品から広まった。「甲賀 vs 伊賀」のイメージを知る入口としてとても重要な一冊。

忍法バトルの原点的なおもしろさ

登場する忍者たちは、それぞれまったく違う忍法や能力を持っている。ただ強いだけではなく、相手の技をどう見抜き、どう出し抜くかという駆け引きも魅力。現代の漫画・アニメ・ゲームに通じる特殊能力バトルの源流としても楽しめる。

忍者が物語の主役になる魅力

この作品の忍者たちは、ただの密偵や裏方ではない。愛、忠義、宿命、そして悲しみを背負いながら、物語の中心で生きている。忍者を“影の者”ではなく、人間ドラマの主役として描いているところが大きな魅力。

Ninjackレビュー

忍者好きなら『甲賀忍法帖』は絶対に外せない!#

忍者が好きなら、山田風太郎氏の『甲賀忍法帖』はぜひ読んでほしい一冊。1959年に光文社から単行本化された忍者小説で、山田風太郎氏の「忍法帖」シリーズの出発点になった作品です。

この作品の何がすごいかというと、とにかく忍者同士の戦いが熱い! 甲賀と伊賀、それぞれ十人ずつの忍者が、徳川家の後継者争いに巻き込まれて命を懸けて戦います。

しかも登場する忍者たちは、ただ隠れるだけの忍者ではありません。毒変身瞳術異常な肉体再生能力など、とんでもない忍法を持った猛者ばかりです。誰と誰が戦うのか。どの忍法がどの忍法に勝つのか。相性ひとつで勝敗がひっくり返るので、ページをめくる手が止まらないこと請け合いです!

今の漫画やアニメでおなじみの「一人ひとつの特殊能力」「能力の相性で決まるバトル」「チーム対チームの死闘」は、『甲賀忍法帖』の時点ですでにかなり完成されています。山田風太郎氏の忍法帖が「集団対集団のバトルトーナメント」形式に大きな影響を与えたとよく言われているのです。忍者バトル作品が好きな人なら、「これ、あの作品の原点っぽい!」と感じる場面がきっとあります。

でも、ただのバトル小説じゃない!#

『甲賀忍法帖』のすごいところは、忍法バトルの面白さだけではありません。むしろ、読んだあとにじわっと残るのは、忍者たちの悲しさです。

彼らは強い。めちゃくちゃ強い。けれど、その戦いは自分たちの意思で始めたものではありません。徳川家の後継者争いという、上に立つ者たちの都合によって殺し合わされます。

大谷慎一郎氏の論文「名前はいかに抹消されるか:山田風太郎『甲賀忍法帖』論」でも、この作品では忍者たちの名前や身体が強く描かれる一方で、彼らが権力の仕組みの中で消費されていく点が論じられています。

つまり『甲賀忍法帖』は、かっこいい忍者たちが暴れ回る作品でありながら、「強くても歴史の主役にはなれない者たち」の物語でもあるのです。ここがたまらなく切ないのです!

忍者イメージを変えた作品でもある!#

実際の忍者は、情報収集や潜入、かく乱などを担った存在でした。吉丸雄哉氏の『忍者とは何か:忍法・手裏剣・黒装束』でも、現代人が思い浮かべる「黒装束で超人的な力を持つ忍者」は、文学や演劇、映画、漫画によって作られてきたイメージだと説明されています。

その意味で『甲賀忍法帖』は、フィクションの忍者像を大きく押し広げた作品です。忍者を「こっそり忍び込む人」から、「唯一無二の忍法を持つ異能の戦士」へと進化させました。

この流れは、後の漫画やアニメにもつながっていきます。せがわまさき氏による漫画『バジリスク~甲賀忍法帖~』は、2004年に第28回講談社漫画賞一般部門を受賞しました。2005年にはアニメ化され、同年には映画『SHINOBI』としても実写化されています。

小説として生まれた忍者バトルが、漫画、アニメ、映画へと受け継がれていったわけです。忍者作品史の重要ポイントといっても過言ではありません。

忍者好きにおすすめしたい理由#

『甲賀忍法帖』には、忍者好きがワクワクする要素がぎっしり詰まっています。

  • 甲賀対伊賀

  • 10人vs10人

  • 一人ひとり違う特殊能力忍法

  • 奇襲、だまし討ち、相性勝負

  • 愛し合う者同士が敵になる悲恋

  • そして、歴史の裏側で消えていく忍者たちの哀しみ

ただ派手なだけではなく、読後にしっかり余韻が残るのがこの作品の強さです。

谷口基氏の『戦後変格派・山田風太郎』でも、山田風太郎氏の忍法帖は、戦争や敗戦の記憶とも関わる作品群として読まれています。忍者たちの戦いには、単なる娯楽を超えた重みがあります。

忍者が好きなら、『甲賀忍法帖』は一度は通っておきたい作品。現代の忍者もの、能力バトル、チーム戦の面白さをたどっていくと、この作品に行き着きます。

忍者のかっこよさ、怖さ、悲しさ、そして物語としての強さ。全てが入っています!

関連作品

執 筆 忍

嵩丸(たかまる)
嵩丸(たかまる)

”すべての忍者をJackする”生粋の忍者オタク。忍者に関するあらゆることを実現していきます!

Amazonで購入する楽天で購入する